1977年の球団創設以来、万年最下位チームの前評判は、高かった。
順位予想では「2位」としたベテラン記者もいたほど、戦力があった。
4月は8勝10敗の最下位スタートだが、首位まで2差のダンゴ状態。
5月になると、調子をあげて球団の最多月間最勝利となる18勝9敗で、一気に首位へ。
オールスターブレイクで、2位のオリオールズに1差ながら首位をキープ。
この時点で「優勝説」が流れることになった。
だが、「優勝」が現実に近づいたところで、落とし穴にはまってしまう。
8月15日まで、救援陣で20勝8敗を記録していたが、突然の連鎖反応か、
出ると打たれるのスランプ状態に陥ってしまった。
結局、「優勝」は幻に終わったが、16も勝ち越したことは「ミラクル」といえた。

大看板の先発投手陣は、エースのデイブ・スティーブが17勝12敗、3.04、
ジム・クランシーが15勝11敗、3.91、ルイス・リールが13勝12敗、4.31で
合格点だったが、ジム・ゴットの9勝14敗、4.74が誤算だった。
ヤンキースから途中加入したドイル・アレキサンダーが7勝したのが救いだった。
前半戦好調を持続した救援陣は、切り札はいなかったが、ジョエイ・マクローフリンが
7勝9セーブ、4.45、ランディ・モフィットが6勝10セーブ、3.77を中心に
全体的に安定した投球を披露した。
打撃陣は、昨年までの打低を返上、チーム打率.277はリーグ1位、
総本塁打167は2位と検討した。

ウィリー・アプショーが打率.306、27本塁打、104打点、
ロイド・モズビーが打率.315、18本塁打、81打点、
核弾頭ダマソ・ガルシアが打率.307、31盗塁と若い戦力が確実に力を出し、
移籍のベテラン、デイブ・コリンズが31盗塁、DHをつとめたクリフ・ジョンソンが
22本塁打、76打点、9勝利打点とベテランの味を発揮してくれた。
ブルージェイズとして最高のシーズンだったが、
チャンピオン・フラッグがカナダに渡る日も近いかもしれない。
★月間MVP
8月 ロイド・モズビー
★月間MVP投手
5月 デイブ・スティーブ
★週間MVP
5月 9日−15日 ルイス・リール
5月16日−22日 デイブ・スティーブ
5月23日−29日 ロイド・モズビー
6月20日−26日 クリフ・ジョンソン
8月29日−9月4日 ジェシー・バーフィールド
★タイトル
なし
★オールスター
デイブ・スティーブ
★ゴールドグラブ
なし
★クラブハイ&ロウ
1試合最多得点 19 vs Seattle 6月26日
1試合最多安打(2チーム) 36 Toronto(21)vs Seattle(15) 6月26日
●1977年ー1983年
437勝639敗 .406
<記録 きろく キロク>
●8月24日から28日にかけての5試合で4試合にサヨナラ負け。
特に24,25日のオリオールズ戦との首位攻防戦では、延長10回に
勝ち越すもその裏に逆転サヨナラ負け。
この2試合がきっかけになったか、それまで延長9戦全勝だったが、
以降2勝6敗。終盤で接戦を落としたのが首位陥落の原因。
★地元で戦っていれば、勝っていたのにね!
●エースのデイブ・スティーブは、今季も17勝で、チーム記録更新ならず。
惜しかったのが9月25日のオリオールズ戦で、9回まで無失点で
10回裏にロイ・リー・ジャクソンが無得点に抑えていれば、勝利投手だった。
開幕当初スティーブは、82回2/3連続無失点を記録したが、
5月21日のスティーブ完封から、続くジム・クランシー、ルイス・リールと
3試合連続完封となった。
★エースがチームに及ぼす影響は大きいです!
<PRIMARY STARTING LINEUPS>
捕 アーニー・ウイット
一 ウイリー・アプショー
二 ダマソ・ガルシア
三 ランス・マリニクス
遊 アルフレッド・グリフィン
左 デイブ・コリンズ
中 ロイド・モズビー
右 ジェシー・バーフィールド
指 クリフ・ジョンソン
<PRIMARY PICTHING STAFFS>
<STARTER>
ジム・ゴット
デイブ・スティーブ
ルイス・リール
ドイル・アレキサンダー
ジム・クランシー
<CLOSER>
ランディ・モフィット
<BULLPEN>
ジョエイ・マクローフリン
ロイ・リー・ジャクソン
デイブ・ガイセル
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