昨年のワールドチャンピオン・チーム。
自信家のホワイティ・ハーゾクは、「まだまだ、力をだしきっていないよ」と
意気揚々と83年シーズンインした。
出だしはまずまず。
4月は10勝6敗の1位スタート。
5月末でも25勝18敗で1位をキープしていた。
だが、ハーゾクの予想していないことが起こる。
昨年のワールドシリーズのヒーロー、ウィリー・マギーが開幕から肩を故障、
ダーン・オージ、トミー・ハー、マイク・ラムジーと次々と戦線離脱。
さらに、核弾頭ロニー・スミスが「コカイン事件」で治療のため入院し、
30試合の欠場を強いられた。
ベストメンバーを組めた試合は数えるほどしかなかった。
それでもなんとか4強の戦いを続けたが、9月5日の首位フィリーズに
5.5差まで詰め寄ったのを最後に後退し、閉幕した。
エース不在の中、ウォーキン・アンダハーが昨年の15勝から6勝(16敗)。
柱と期待されたジョン・ストゥパーもノーコン病で配置転換で12勝。
ボブ・フォーシュが10勝、デイブ・ラポイントが12勝しかあげられなかった。
途中でメッツからキース・ヘルナンデスと交換でニール・アレンを補強したが、
先発と救援の両刀で後半は失速してしまった。
しかし、なんといっても守護神ブルース・スーターの不調が チーム成績に直結したようだ。
9勝21セーブは、まずまずだが、防御率4.23では。。。
弱い投手陣をなんとか打撃陣がカバーはした。
本塁打はリーグ最低の83本のピストル打線は、リーグ2位の打率.270。
盗塁は、リーグ1位の207個をマークした。
入院で約30試合欠場のロニー・スミスが打率.321で2位となり、
4番のジョージ・ヘンドリックが打率.318、18本塁打、97打点と
ヘルナンデスがいなくなった打線をカバーした。
デイビッド・グリーン、マギー、アンディ・バン・スライクら若手が成長し、
来季に期待を持たせてくれたのが、明るい材料だった。
|