大好きMLB的コラム

         ★トレードな話 

  大リーガーには、「トレード」が常についてまわっています。

  「ビジネスライク」に徹しているとかいわれて、選手たちも
  当然とばかりに平然と移籍していく。

  このあたりは、日本人の私たちには、今ひとつ理解しがたい。
  (でも、最近はそうでもないか?)

  ただ、頻繁に行われるトレードも2004年のガルシアパーラの移籍
  などのビッグトレードもありましたが、1982年には米球界も
  「あっと」おどろくタメゴロー(古い?しっているのは、30代後半かな?)
  的な???なトレードがおこなわれました。

  1982年8月4日シカゴのリグレー・フィールドのカブス対メッツ戦。

  4番センターで出場していたジョエル・ヤングブラッド。(長い名前。。。)
  3回の表に2点タイムリーを放ったヤングブラッドは、ベンチに戻る。

  とたんに「ジョエル、君はモントリオールにトレードになったぞ」。。。。

  次の回から引っ込んだヤングブラッドは、ただちにロッカーに行き
  次のチームのエクスポスの試合先であるフィラデルフィアに向かうため
  自ら飛行機のチケットをとり、あわただしく球場をあとにした。

  しかし、グラブを忘れて取りに帰るというおまけが付いたが。。。。

  さて、いきなり試合中にトレードになったジョエルは、
  自分でフィラデルフィア行きのチケットを手配して
  空港へ向かった。

  あわてて忘れたグラブをとりに引き返すハプニングは
  あったものの。

  シカゴからフィラデルフィアへ飛び、
  ただちに、ベテランズ・スタジアムに駆けつけた。

  すぐにエクスポスのユニフォームに着替えて
  (数時間でユニフォームが間に合うのが不思議?)
  2番右翼で試合に出場した。

  そして迎えた初打席で安打を放った。

  つまり、ヤングブラッドは一日で2つの違うチームで
  違う球場でそれぞれに安打を放つという前代未聞の
  記録を球史に刻んだことになりました。

  本人いわく
  「こんな面白い経験はちょっとやそっとでは、できないよ」とな。

  ヤングブラッドの場合は、デーゲームからナイトゲームの
  順だから出来た芸当(!?)ですが、
  同じ日に2つのユニフォームを着た例は過去に一度。

  1922年のカージナルス対カブスのダブルヘッダーで
  マックス・フロックとクリフ・ヒースコートという選手同士がトレードになり、
  第二試合はユニフォームを変えて出場しました。

  1982年は希にみる大激戦の展開で「フラッグディール」
  (優勝を意識したトレード)が多い年でした。
  82年には、まだまだ面白いトレード話がありますよ。

  アストロズから「トレードに出せ」といっていたドン・サットンが
  8月31日にミルウォーキー・ブリューワーズに
  念願かなって移籍した。

  移籍するまで13勝8敗で
  ローテーション投手だったサットンは
  移籍当日もニューヨーク・メッツ戦に登板予定だった。

  「ブリューワーズはいいチーム。優勝も間違いない。
  喜んでいくよ」とはいうものの、これは少し違うようで
  彼は「カリフォルニアのチームに行かせろ」と
  盛んに言っていたのですよ。

  その昔はドジャースのエースとして君臨していたが
  看板のスティーブ・ガービーと口ケンカしたりと
  わがままといわれています。

  ですが、わがままだろうがなんだろうが、
  ブリューワーズには救世主が欲しかったのである。

  事実サットンは9月だけで4勝し
  さらに優勝決定試合で勝ち投手にもなっている。

  まさに「フラッグディール」といえた。

  また同じ日にヤンキースのトミー・ジョンも
  カリフォルニア・エンジェルスにトレードとなった。

  狙いは同じで「フラッグ・ディール」。
  ジョンも9月だけで4勝してエンジェルスの地区優勝に貢献した。

  ポイントは8月31日で、この日までに選手登録していれば
  ワールドシリーズに出場できるのである。

  だがこのサットン、ジョンの移籍は、正確にはトレードとはいわず、
  ウエーバーによる移籍といいます。

  球団が選手の保有権を破棄し、その選手を欲しい球団が
  重複した場合は、勝率が下位の球団から優先順位とされる。

  ですが、球団同士で話し合いが出来ているのが普通です。

  ウエ−バーによる移籍が成立すると、
  獲得した球団はその球団に対して2万ドルを支払う。
  自由契約で無条件に解約してしまうと1ドルも入ってこないので
  オーナーたちの考えた「うまい作戦」といわれています。

  ようするに大リーグでは、金でペナントが買えるということに
  なりますが、当時から少しずつ制度も変更されていて、
  金満球団=世界一とはならなくはなってはきています。
  (でも少しはかけないとダメだよね〜)

  だから、大リーグは面白いということですかね。m(_ _)m

  お後がよろしいようで。。。。