昨年、「キャンドルスティックの奇跡」といわれた
驚異の追い上げを見せたチームをフランク・ロビンソン監督は、
「優勝するのに十分な戦力が整った」と自信満々だった。
だが、昨年大貢献したベテランのジョー・モーガンと
レジー・スミスを放出したチームはガタガタになってしまった。
4月は、7勝14敗の最下位スタート。

しかし、5月は、ビル・ラスキーとダレル・エバンスの活躍で
19勝7敗として、一気に3位へ浮上した。
だが、6月は再びドツボにはまり、12勝16敗と後退。
ロビンソンが「リーダーシップをとるものがいない」といっても遅すぎた。
その後は5割の壁が立ちはだかり、沈んだまま閉幕した。
エースとなるべき、ラスキーは肩を痛めて13勝10敗、防御率4.19、
防御率2.25でタイトルを獲得したアトリー・ハンメーカーも肩痛で
10勝9敗と後半で大失速だった。
移籍のマイク・クルーコーも出遅れて、11勝11敗、防御率3.95だった。
抑えの二枚看板、ゲーリー・ラベールが7勝20セーブ、防御率2.59、
グレッグ・ミントンが7勝22セーブ、防御率3.54だっただけに、
先発陣がもうひと踏ん張りすれば勝ち星が増えたはずだけに残念だった。

打撃陣では、エバンスが孤軍奮闘。
打率.277、30本塁打、82打点をマークした。
主砲ジャック・クラークはフロントと対立、打率.268、20本塁打、66打点と
不振だった。
ジェフ・レナードは打率.279、21本塁打、87打点とすべてでクラークを上回り、
5番の座をものにし、来季以降に期待を持てる。
しかし、期待のチリ・デービスが2年目のジンクスか、打率.233、11本塁打、59打点と
成績を落としたことは響いた。
来季は優勝に値する十分な戦力を整えなければならないだろう。
★月間MVP
5月 ダレル・エバンス
★月間MVP投手
5月 ビル・ラスキー
★週間MVP
4月18日−24日 アトリー・ハンメーカー
5月 9日−15日 ダレル・エバンス
6月27日−7月3日 ジェフ・レナード
8月22日−28日 ジェフ・レナード
★タイトル
最優秀防御率 2.25 アトリー・ハンメーカー
★オールスター
ダレル・エバンス
アトリー・ハンメーカー
ゲーリー・ラベール
★ゴールドグラブ
なし
★クラブハイ&ロウ
1試合最多本塁打 5 vs Montreal 6月5日
1試合最多失策 5 at Montreal 5月22日
●1900年ー1983年
7009勝5888敗 .543
<記録 きろく キロク>
●最優秀防御率のタイトルに輝いたアトリー・ハンメーカーは、
4月17日のシンシナチ・レッズ戦で8回の先頭打者ジョニー・ベンチに
初安打を許し、パーフェクトが崩された。
9月11日のヒューストン・アストロズ戦では、8回二死までに今季最多の
14奪三振も2失点で降板。
2度も魔の8回に泣いた。
★まさに鬼門とはこのことでしょうか!
●ジャック・クラークが5月18日に、ダレル・エバンスが6月26日に
1試合6打点を記録。(エバンスは3本塁打)
クラークは、7月22日のピッツバーグ・パイレーツ戦で5安打したが、
オール単打で打点は0だった。
★前の打者達が悪いんです!
●8月28日のニューヨーク・メッツ戦の先発は、ビル・ラスキーと発表されたが、
試合前の練習で負傷したため、急遽アンディ・マクガフィガンが先発した。
2回でKOされたが、続くジェームス・バー、ゲーリー・ラベールがなんとかしのぎ、
7−2で勝利。エースの負傷欠場の穴を見事に埋めた。
★ピンチは最大のチャンスなり!
<PRIMARY STARTING LINEUPS>
捕 ボブ・ブレンリー
一 ダレル・エバンス
二 ブラッド・ウエルマン
三 トム・オマリー
遊 ジョニー・レマスター
左 ジェフ・レナード
中 チリ・デービス
右 ジャック・クラーク
<PRIMARY PICTHING STAFFS>
<STARTER>
ビル・ラスキー
フレッド・ブレイニング
マーク・デービス
マイク・クルーコウ
アトリー・ハンメーカー
<CLOSER>
グレッグ・ミントン
<BULLPEN>
ゲーリー・ラベール
アンディ・マクガフィガン
ジェームス・バー
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