「マウンドには、ドク・メデッチ、キャッチャーは強肩テッド・シモンズ。
「ピッチャー、メデッチセットに入りました。ヘンダーソンを横目で見て、足が上がった。
同時にヘンダーソンがスタート！！あっと、はずした。ピッチドアウトだ。シモンズが素早く２塁へ！
ヘンダーソン ヘッドファーストスライド！ショートのロビン・ヨーントがタッチにいく。どうだ？！」
「『セーフ！！！』 塁審の手が広がった。
新記録達成！ １１９個目〜！！。」
２塁ベースをかかえ上げるヘンダーソン。観客が立ち上がって一斉にスタンディングオベーション！！
この日だけで４盗塁して一気に１２２まで記録を作ってしまった｡
１２７試合での記録更新は、前記録保持者のルー・ブロックが記録したよりも２６試合も早いものだった。
その後、記録は、１３０まで伸ばした。
１９５８年１２月２５日イリノイ州シカゴ生まれ。幼児の頃にオークランド市へ移転。
オークランド工業高校に入学。ベースボール、バスケット、フットボールで注目を浴びることとなり
メジャー球団とフットボールの両方から追いまわされるほどだった。
１９７６年６月 ドラフトでオークランドに４巡目で指名されてプロ入り。
マイナー時代の’７７年Ａ級のモデストで９５盗塁、７８年ＡＡ級のジャージーシティで８１盗塁を
記録していて、当時から韋駄天ぶりは傑出していた。
７９年夏に昇格。８０年にビリー・マーチンが監督に就任すると
徹底的にしごかれ不屈の自信を植え付けられた。
マーチンの催眠術がかった説得が彼を稀代のベースランナーに仕立てた。
また、打者としてもマイナー時代は毎年３割以上の打率をマークしていて、大リーグ昇格後も
８０年に．３０３、８１年に．３１９（リーグ５位）もマークしている。
「１シーズン１６２盗塁、つまり試合数と同じ数の盗塁達成。これが私の目標」と語っていた。
また、「ただの盗塁の出来る選手だけで終わりたくない。あくまでも野球選手として一流に
なりたい。」ともいっている。
８５年からヤンキースへ移籍。
１４３試合に出場して１４６得点で得点王、翌８６年は自己最多の２８本塁打７４打点で
ヤンキースの世界一に貢献した。
８７年は故障で９５試合にしか出られず、連続盗塁王は７年で途切れてしまった。
８９年の途中にアスレチックスへ戻り、７７盗塁で盗塁王に復活し、
プレーオフで打率．４００、ワールドシリーズでも．４７４とうちまくり世界一になった。
９０年は打率．３２５で２位、２８本塁打、１１９得点（１位）、６５盗塁（１位）、出塁率．４４１（１位）で
５１本塁打のセシル・フィルダーをおさえてのＭＶＰを受賞した。
９１年５月１日にルー・ブロックの通算盗塁記録９３８を破り、一年後の９２年５月１日には
１０００個目の盗塁を記録した。
その後、９３年にブルージェイズで世界一に。
毎年のようにチームを変わりながら、９８年は６６盗塁で７年ぶりの盗塁王に輝き、
９９年はメッツで４０歳になりながら打率．３１５、３７盗塁をマークした。
２００１年はベーブ・ルースの通算四球、タイ・カッブの通算得点記録を塗り替えて、
シーズン最終戦で３０００本安打と記録ラッシュの年となった。
２００４年の今、４５歳で現役のまま独立リーグで
メジャー復帰を狙う数々の歴代１位記録を持つ、超一流大リーガーなのである。
【２００３年終了時の主な成績】
★歴代１位
●盗塁 １４０６
●盗塁死 ３３５
●得点 ２２９５
●四球 ２１９０
●先頭打者本塁打 ８１
●外野手最多年数 ２５年
【現役１位】
●打数 １０９６１
●安打 ３０５５
●試合数 ３０８１
【タイトル】
ＭＶＰ１回（１９９０年）、最多安打１回（１９８１年）、最高出塁率１回（１９９０年）
盗塁王１２回（１９８０〜８６、８８〜９１、９８年）
得点王５回（１９８１、８５、８６、８９、９０年）
オールスター１０回（１９８０、８２〜８８、９０、９１年）
オークランド・アスレチックス（１９７９ー８４）ーニューヨーク・ヤンキース（８５ー８９）
ーオークランド・アスレチックス（８９ー９３）ートロント・ブルージェイズ（９３）
ーオークランド・アスレチックス（９４ー９５）ーサンディエゴ・パドレス（９６ー９７）
ーアナハイム・エンジェルス（９７）ーオークランド・アスレチックス（９８）
ニューヨーク・メッツ（１９９９ー２０００）ーシアトル・マリナーズ（００）
ーサンディエゴ・パドレス（０１）ーボストン・レッドソックス（０２）
ーロサンジェルス・ドジャース（０３）ー？