マイ・ファースト・MLB 


「カーン!」

「ウォー!!」「わー!」

「あー、飛んできた!!」

「ホームラン! ホームラン!」

1974年(昭和49年)、東京・後楽園球場にニューヨーク・メッツがやってきた。
1969年に奇跡の世界一で「ミラクル・メッツ」といわれたあのメッツです。

当時、小学生だった私は、少年野球の仲間たちと観戦に行きました。
(うわー、やばい!年がばれるー)
とはいっても、メッツを観にいったわけではなくて、目的は巨人でした。

当時の巨人はV9時代で最強巨人軍をリアルタイムで見ていたので
野球は巨人、巨人が野球、かぶっている帽子はYGマークと典型的な
巨人ファンの野球小僧でした。

巨人の選手の名前と背番号なんて、かけざんの九九よりもスラスラでしたよ。
王、長嶋、高田、柴田、堀内、森、土井、関本、末次、富田、高橋一、新浦・・・。
1、3、8、7、18、27、6、20、38、25、21、28、・・・。
そんなんですから、大リーグなんて聞いても「知らない外人のオッサンたちが
巨人と試合するんだって・・・。」みたいな感じでしたね。

当時は、向こう(アメリカ)の情報なんて今ほど入ってきませんでしたしね。
まったくといっていいほど知りませんでしたよ。

でも大リーグを生で観たという事実はあるわけで、しかもチケットを見ると
(何故か大事にとってあったのです)
10月26日と11月3日の2試合も観ているんですよ。
もうびっくりです。なにしろ30年も前ですからほとんど覚えてないんです。
悔しい、何故覚えてないんだ!

でも、ほとんど覚えてないんですけど(ほんとに悔しいですよー)
それでもたったひとつだけ強烈に印象に残っていることがあるんです。

記念のチケット シーバーの絵ですね。 ←記念すべき初めての日米野球のチケット。第10回とある。
左下の数字が試合目かと思う。1と4かなー?

その唯一の記憶に残っている場面とは?

メッツのフェリックス・ミヤーンが放ったホームランなのです。(多分)
ミヤーンは、大リーグでゴールドグラブをとったこともある名手で、78年に大洋に入団。
79年に打率.346で首位打者にもなっている、バットを極端に短く持ちクラウチング
スタイルが印象に強い小柄な二塁手です。覚えているかたも多いのでは?

それが11月3日の指定席Eで観た時なのです。
指定席Eとは、外野のレフトポール際に一角に設けられた席で、ミヤーンの打球は
きれいな放物線を描いて私たちが観ている席のナナメ前方5−6mのあたりへ打ち込まれました。

「ホームラン! ホームラン!!」

初めて見た大リーガーの生ホームランで、巨人を観にいったはずなのにすっかり忘れて
大興奮状態でした。なぜだか、いまでも鮮明に覚えています。
でも、もう一試合は全然覚えてないんですよね。

指定席Eは、600円で巨人戦の外野席小人が100円で
もう一枚の指定席Bが2300円で巨人戦のB席が600円なのでかなり高価ですよね。
もっと近くで観ていたほうを全然覚えていないとはね。がっかりですよ。
もっと面白いことが書けたのにね。

話を戻しますが、この時の来日メンバーにジョー・トーレ(現ヤンキース監督)がいて
71打数31安打で.437、5本塁打、18打点でチーム3冠王でした。
でもMVPには、エド・クレインプールが輝きステレオを持って帰ったそうです。
ほかには、トム・シーバー(通算311勝)、ジェリー・クーズマンなどがいて豪華、豪華。

結果のほうは、6試合目で初勝利してから8勝4敗で、結局9勝7敗2分けで収めました。
日本チームのほうでは、ミスター・長嶋の引退と重なって各地で大入りの大盛況だったということです。

これ以来、ずーっと大リーグを見てきましたが、95年にNOMOが海を渡ってからは
一気に大リーグが身近になったように感じます。

当時を思い返すと、訳が分からないままFENの英語放送を聞いたり、本屋をまわって
資料を集めたりしたことが懐かしいです。
その貴重な資料をもとに「大好きMLB!!」は随時更新しています。(^^;)
そちらも、ぜひよろしくお願いします。