リエントリー・ドラフトにかかったフロイド・バニスターを獲得し、
前評判の高かった投手陣だったが、そのバニスターが前半戦サッパリで
苦しい前半戦となった。
4月は、8勝10敗の6位スタート。
5月末時点でも借金5の5位と低迷。
この時点でトニーラルーサ監督の解任の噂が飛び出したが、
結局は、思いとどまったようであった。
6月になり、カールトン・フィスクを2番に固定してから、勢いが出た。
オールスター・ブレーク前の18試合を13勝5敗とすると、
それまで上位にいたテキサスやカリフォルニアが調子を落とし、
7月末時点では、3.5差の首位にいた。
そして9月17日に地区優勝一番乗りを果たした。
エースは昨年19勝したラマー・ホイトで、24勝10敗。
リチャード・ドットソンも22勝をあげて、2人の20勝投手を出した。
前半不調だったバニスターは、ブレーク以降は13勝1敗で16勝。
ブリット・バーンズは、10勝だったが、40歳のジェリー・クーズマンが
11勝をあげたのは、嬉しい誤算だった。
リリーフ陣もデニス・ランプが15セーブ、ロッド・バラハスが12セーブと
チーム防御率3.67でリーグ3位となった。
打撃陣では、新人王ロン・キトルが35本塁打、100打点をあげ、
楽になったグレッグ・ルジンスキーが32本塁打、95打点。
2番打者のフィスクは、.288、26本塁打、86打点。
3番ハロルド・ベインズは、20本塁打、99打点、22勝利打点で
勝利打点王と勝負強さを発揮した。
これに途中移籍のフリオ・クルーズの24盗塁(シーズン57盗塁)、
ルディ・ロウの77盗塁の機動力が加わり、戦いを有利にした。
しかし、一時解雇されかけたラルーサが残ったおかげで、
リーグ9位のチーム打率ながら、好采配で優勝出来たといえる。
その証拠に、ラルーサは最優秀監督賞を受賞した。
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